映画で巡る世界の街
 Vol.85

釜山

所在地【大韓民国】

世界的な港湾都市、
釜山

 韓国第2の大都市で、世界屈指の貨物取扱量を誇る釜山港を擁する釜山。朝鮮半島の東南端に位置するこの地はかつて小さな漁港でしたが、朝鮮時代に「倭館」が置かれると対日外交の中心地となりました。1876年に釜山港が開港して以降は国際貿易港として発展し、都市化が進みます。1950年に起こった朝鮮戦争では一時的に首都となり、ソウルなどから逃れてきた人々によって「国際市場」や「宝水洞古本屋街」などが生まれ、独自の文化・商業が育まれました。

 現在は近代的な港湾・ビジネス都市として発展していますが、「海雲台」や「広安里」などさまざまなビーチリゾートの他、レトロな雰囲気が残る「甘川文化村」などの観光スポットも点在。人気観光地として国内外から注目されています。またアジア最大級の「釜山国際映画祭」など国際的なイベントも多く開催されており、リゾート・食・文化と多彩な魅力を持つ釜山には、日本からも多くの観光客が訪れています。

アクセス

東京(羽田空港)から釜山(金海国際空港)まで約2時間半。空港から市内中心部まで車で約30分。

「スカイカプセル」は海雲台の海の間近を走る

「スカイカプセル」は海雲台の海の間近を走る。

釜山広域都市の人口は約330万人(2023年)。韓国最大の港湾都市として、海運や貿易、製造業が経済の基盤を支えており、近年は観光業やIT産業にも注力している。

釜山広域都市の人口は約330万人(2023年)。韓国最大の港湾都市として、海運や貿易、製造業が経済の基盤を支えており、近年は観光業やIT産業にも注力している。新鮮な海鮮料理や活気ある独自の市場文化、特有の方言も魅力。

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  人気スポットが続々登場

 釜山を舞台にした映画には話題作も多く、韓国映画史に残る大ヒット作『国際市場で逢いましょう』(2014年・韓国)では、市内の人気スポットでさまざまな撮影が行われました。本作は激動の韓国現代史を家族のために生き抜いた男の半生を描いたヒューマンドラマで、タイトルにもあるように「国際市場」が主な舞台。主人公が守り抜いた輸入雑貨店は市場内に実在していましたが現在はカフェとして営業しており、コーヒーや釜山名物「ホットク」などが味わえます。

 そして、「釜山国際映画祭」の拠点でもある「BIFF広場」も映画に登場します。古くから映画館が立ち並ぶエリアで、名だたる映画人の手形が路面に刻まれた映画ファン必見のスポットです。

 また、韓国最大の水産市場「チャガルチ市場」や「龍頭山公園」などの観光スポットもロケ地の一つ。龍頭山公園内にある「釜山タワー」は人気のビュースポットで、特に夜景は地元の人々にも大人気です。

「国際市場」は人気観光スポットで、衣料品、雑貨、屋台グルメなど何でも揃う。

「国際市場」は人気観光スポットで、衣料品、雑貨、屋台グルメなど何でも揃う。


繁華街・南浦洞にある「BIFF広場」。広場というより繁華街の一角で、ホットク屋台が立ち並ぶ。

繁華街・南浦洞にある「BIFF広場」。広場というより繁華街の一角で、ホットク屋台が立ち並ぶ。


水産市場「チャガルチ市場」は新鮮な魚介類を韓国式の味付けで楽しめる。

水産市場「チャガルチ市場」は新鮮な魚介類を韓国式の味付けで楽しめる。


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  レトロと活気が融合した街

 日本の漫画を映画化し、カンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞した『オールド・ボーイ』(2003年・韓国)も釜山がロケ地でした。理由もわからぬまま15年間監禁された男の復讐劇を描いた本作は、主人公オ・デスが監禁中に食べ続けた餃子の味をたよりに監禁場所を探し歩くというストーリー。その舞台となったのが釜山の中華街で、ロケ地の「長盛香」は大ぶりの揚げ餃子が名物の有名店です。

 また、おしゃれなカフェやショップが多い繁華街「西面 (ソミョン)」もロケ地の1つ。お土産選びにも便利でおすすめは、済州島の茶葉を使った韓国茶「オソルロック」のティーセット。パッケージも上品で、ちょっと贅沢な自分用のお土産としても人気です。

 海外作品でもロケ地として選ばれており、スーパーヒーロー映画『ブラックパンサー』(2018年・アメリカ)の有名なカーチェイスシーンはチャガルチ市場周辺や「広安大橋」で撮影されたもの。日本映画では、木村拓哉演じる型破りな検事が活躍するドラマを映画化した『HERO』(2015年・日本)で、「釜山のマチュピチュ」とも呼ばれる「甘川文化村」がロケ地として登場します。

 ロケ地巡りの食事で外せないのは、豚肉の各部位を煮込んだスープにご飯を入れた定番の郷土料理「テジクッパ」。西面テジクッパ通りには専門店が集まっているほどで、中でも1946年創業の「松亭3代クッパ」は移り変わりの激しい釜山で長年愛されてきた名店です。韓国の民俗酒第1号に指定された名酒「金井山城マッコリ」を合わせれば、釜山を代表するソウルフードが堪能できます。


斜面につくられた集落をアートの力で再生した「甘川文化村」。

斜面につくられた集落をアートの力で再生した「甘川文化村」。


放出品の豚の骨や肉を煮込んだのが「テジクッパ」のルーツといわれている。

放出品の豚の骨や肉を煮込んだのが「テジクッパ」のルーツといわれている。



今月の橋

今月の橋

広安大橋

2003年に開通した「広安大橋」は市内中心部と海雲台を結ぶ。全長7,420m、うち900mが吊橋で海上2階建ての韓国最大の海上複合橋梁。約8年の歳月をかけて造られ、バイパス道路として釜山市民には欠かせない自動車専用橋。広安里ビーチから望む夜のライトアップの美しさから「ダイヤモンドブリッジ」とも称される。