所在地【スイス連邦】
エレガントな
国際都市、ジュネーヴ
レマン湖の南西部に位置するジュネーヴ州の州都、ジュネーヴ。その歴史は古く、ローマ時代にはガリア人の城塞町として知られていました。16〜17世紀頃、フランスからの宗教難民によって時計の製造技術がもたらされると、時計製造が主要産業に成長します。フランス革命時にフランスに併合されますが、1815年のウィーン会議でスイスの独立と永世中立が保証されると、ジュネーヴ州はスイスの一州となります。
国連や赤十字の発祥の地でもあるジュネーヴは、その後、永世中立国スイスの都市として、WHO(世界保健機関)をはじめ多くの国際機関が集まる「国際都市」として発展してきました。また、レマン湖畔周辺はリゾート地として人気が高く、ヨーロッパを中心に多くの観光客が訪れています。
成田空港(東京)からチューリッヒ空港まで約14時間30分。チューリッヒからジュネーヴ空港まで約1時間。空港から市内中心部まで車で約20分。
レマン湖にある「大噴水」は最大140mの高さまで噴き上がるジュネーヴのシンボル。
ジュネーヴが舞台となった映画には名作と呼ばれるものがあります。古くはジャン=リュック・ゴダール監督の『小さな兵隊』(1963・フランス)。これはアルジェリア独立戦争をテーマにした映画で、60年代のジュネーヴの街並みをモノクロの映像で楽しめます。他にも、スイス銀行から金の延べ棒を強奪する『黄金の七人』(1965・イタリア)やWHOにテロリストが侵入し、病原菌が拡散されるパニック映画『カサンドラ・クロス』(1976・イタリア/イギリス/西ドイツ/フランス/アメリカ)などが有名です。さらに、ポーランドの巨匠キエシロフスキー監督の遺作『トリコロール 赤の愛』(1994・フランス/ポーランド/スイス)では、ジュネーヴに住む女子大生と、電話を盗聴する趣味を持つ初老の元判事との交流を描きながら、終盤では3部作の登場人物の運命が交錯していきます。この映画では、旧市街にある観光スポット「ブール・ド・フール広場」もロケ地でした。広場周辺には人気のカフェやビストロが集まっており、映画でもオープンカフェで食事するシーンで使われています。また、15〜17世紀の建築物が残されている旧市街は、街のシンボル的存在の「サン・ピエール大聖堂」をはじめ観光スポットが点在しているところ。石畳の路地や中世の雰囲気が漂う街並みは、映画にも多く登場しています。
近年では、1985年に実際に起きたフランス諜報機関による船の爆破事件に基づくスパイサスペンス映画『スパイ・バウンド』(2004・フランス)も、ジュネーヴがロケ地。猛スピードで繰り広げるカーチェイスとスタントのシーンは、市内の公共道路や高速道路を閉鎖して撮影されました。
ジュネーヴの繁華街には、時計をはじめ高級ブランドが集まっている旧市街の「ローヌ通り」や、土産物店も多い新市街の「モンブラン通り」などがありますが、お土産選びで訪れたいのが、1947年にジュネーヴで創業したチョコレート店「ステットラー」です。スイスはチーズだけでなくチョコレートも有名なので、ジュネーヴ土産にも最適です。レマン湖畔の「アリアナ公園」近くにあるステットラーの店舗にはカフェが併設されているので、ロケ地巡りの休憩にもおすすめです。
また、アリアナ公園内には「パレ・デ・ナシオン(国際連合ヨーロッパ本部)」があり、見学もできます。界隈にはWHOなどの国際機関が点在しているので、散策するだけでも旧市街とは違う「国際都市」の一面を垣間見ることができます。
ジュネーヴを訪れたらぜひ食べたいのが、ジュネーヴの郷土料理チーズフォンデュ。旧市街にある「レ・ザミュール」は同名のホテルに併設されたレストランで、“チーズフォンデュを食べるならこの店”といわれるほどの名店です。オーソドックスなチーズフォンデュだけでなくベーコン入りなど、スイスチーズをいろいろ楽しめるのも人気の理由。スイスのローカルワインを飲みながら、本場のチーズフォンデュを味わえるのは、旅ならではの醍醐味です。
モンブラン橋
ジュネーヴの玄関口であるコルナヴァン駅からモンブラン通りを歩くと見えてくるのが、ローヌ川に架かる「モンブラン橋」。新市街と旧市街への架け橋となっていて、橋の上からはレマン湖やジュネーヴの街並み、大噴水や大観覧車が見渡せる。橋の欄干にはイベントなどに応じて、スイス国旗やジュネーヴ州など26の州旗などが掲げられ、華やかな印象。夜はライトアップされた幻想的な夜景など、ジュネーヴのさまざまな姿を見ることができる。